2018年に7月に発売されたホンダの新型N-VAN。従来の軽バンとは違い、カジュアルさも兼ね備えた外装や幅広い用途に対応した車内が評判の車です。
そんなN-VANのエンジンはNA車とターボ車があるので、購入時にどちらにするか悩むところではないでしょうか。
実は私もその一人で、
- 新型N-VANと先代モデル(バモス)の違い
- ガソリン車とターボ車の違い
ここは知っておきたいところです。雑誌やブログなどにすでに試乗ネタはあるんですが、実際に乗ってみないと本当のことはわからないですよね。私が気になるのは
「内装や外装は先代からどう進化したのか?」
「スペックは同じなのか?」
「走りや乗り心地、燃費、静粛性はどうなのか?」
このあたりです。
気になったらとことん調べたくなる性分なので先日、新型N-VANのNA車とターボ車をレンタカーで借りて乗り回してきました。その時に気が付いたことを試乗レポートしたいと思います。
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新型N-VANの外装と内装は先代バモスから大幅進化
車を購入する時に、まず気になるのはエクステリアとインテリア。性能が良くても、内外装がダサいと買う気がなくなりますよね。
そこで新型N-VANのエクステリアやインテリアが、先代に比べてどのように進化したのかチェックしてみたいと思います。
新型N-VANはオシャレなエクステリアデザインへ進化
左が先代バモスで、右が後継モデルの新型N-VANの外装です。先代モデルはいかにも商用車というような野暮ったいエクステリアでした。しかし、N-VANは商用車と感じさせないオシャレなデザインへ進化しています。
全体的な印象としては
- 新型N-VAN
⇒N-BOXゆずりの愛嬌あるデザイン
⇒カラフルなボディカラーで個性がある - 先代バモス
⇒平凡な四角いボディ
⇒いかにも商用車という雰囲気
このように感じました。仕事として使うならバモスでも良さそうですが、自家用車として乗るなら断然N-VANの方がオシャレで良いですね。
内装は使いやすさが向上。デザインは現代的な雰囲気に
上が先代バモスで、下が新型N-VANのインテリアです。
次はインテリアをチェックしました。先代から大きく変わったのは内装のデザイン。
先代は全体的に古臭くチープな感じでした。新型N-VANではナビがインパネに埋め込まれていて、現代的な感じへ進化。さらにシフトがフロアからインパネに移動していたり、収納スペースが使いやすい位置に変更されていて使い勝手も良くなっていますね。
質感は大差がないものの、シボのパターンが工夫されていたり、部分的にピアノブラック調の装飾が施されています。乗用車に近い品質になっているので、初めて自家用車として使うには抵抗感がなさそうです。
新型はNAのパワーが8馬力アップ。カタログ燃費も大幅に向上した
先代バモスと新型N-VANとのスペックを比較してみました。
- 660ccNA(2WD)
スペック 先代バモス 新型N-VAN カタログ燃費
[JC08]15.0km/L 23.8km/L エンジン最高出力 45馬力 53馬力 トランスミッション 3AT CVT 車両重量 1,000kg 960kg タンク容量 37L 27L 駆動方式 MR FF ※両車ともMTの設定有
- 660ccターボ(2WD)
スペック 先代バモス 新型N-VAN カタログ燃費
[JC08]14.8km/L 23.6km/L エンジン最高出力 64馬力 64馬力 トランスミッション 4AT CVT 車両重量 1,030kg 970kg タンク容量 37L 27L 駆動方式 MR FF
スペックで目立った違いは
- 新型ではNA車のパワーが8馬力アップ
- カタログ燃費が大幅に向上
- 車体がNA車で30kg、ターボ車で60kg軽くなった
この3点です。
特に大きいのはカタログ燃費。新型では約9km/Lも高くなっています。これは先代バモスの登場が1999年と古く、最新の燃費技術を搭載したことによる差でしょう。機能的にも新型ではアイドリングストップが追加されています。
試乗開始!新型N-VANのNAとターボをドライブしてきた
外装と内装のチェックが済んだところで、いよいよ新型N-VANの試乗に移ります。
今回はNAとターボそれぞれに試乗してきました。それぞれ4WDの設定もありますが、今回借りたレンタカーは2WD車です。
それぞれのスペックはこれ。
スペック | N-VAN(2WD) | N-VAN(2WD) |
グレード | +STYLE FUN Honda SENSING |
+STYLE FUNターボ Honda SENSING |
車重 | 940kg | 970kg |
燃費[JC08] | 23.8km/L | 23.6km/L |
エンジン最高出力 | 53馬力 | 64馬力 |
コースは市街地、高速、郊外のトータル30kmです。実際に乗ってみるとNAとターボのそれぞれ良いところ、悪いところがたくさん見つかりましたよ。
NA車は運転のしやすさが魅力
まず試乗したのはNA、+STYLE FUNの2WD車です。
先代バモスと比べて走りやエンジン性能、乗り心地、燃費についてどう変わったのか見ていきます。
新型N-VANの静粛性は乗用車並に高くなった
まずは市街地です。主に静粛性を中心にチェックしました。
走り出してすぐに気がついたのは出足。バモスだと出足から遅くてストレスがたまりましたが、N-VANはしっかりと加速してくれました。パワーが上がっていて、車重も軽くなったことが影響しているのでしょうね。
静粛性もかなり進化していました。先代だと外の音がかなり入ってきて、エンジン音も豪快に聞こえていましたが新型ではそんなことも全くなし。乗用車並に静かなので、会話も楽々ですね。
市街地を走り抜けて、燃費計を見てみると
『8.9km/L』
という表示。燃費達成率では37%とかなり低くなってしまいました。アイドリングストップが搭載されていますが、燃費の環境が悪いと改善には限界があるようです。
NA車は高速合流時にパワー不足を感じた
次は高速に入ります。高速道路ではエンジン性能を重点的にチェックしました。
市街地で先代より出足が良かった加速性能ですが、高速合流時や追い抜き時はモタつく印象ですね。100kgの荷物を積んで走っていましたが、長距離を走るのにはストレスが溜まりそうです。
高速での静粛性は優秀に感じました。しかし、80km/h以上で走っていると風切り音が気になってきます。空気抵抗が大きい箱型ボディによるものなので、この点はしょうがないのかもしれません。
高速出口に近づき、燃費計に目を移すと
『17.8km/L』
をマーク。(※高速に入った時に燃費計はリセット)
燃費達成率は75%とかなり良い数値です。
高速走行時は、追従機能付のアダプティブクルーズコントロール(※)を80km/hに設定して走りました。おかげでアクセルを無駄に踏まずに済んだので、燃費が伸びたのでしょう。
※設定した速度で定速走行ができる機能。前走車と一定の距離を保ちながら、追従走行をすることも可能。
NA車は運転がしやすかった
郊外では走りを重点にチェックしました。
N-VANは背が高いので、コーナリングは厳しいだろうなぁと思っていましたがそんなことはなく、狙った通りに安定して曲がってくれます。ベースとなっているN-BOXの走行性能が高いので、それが影響しているのでしょうね。
凸凹を通過した時は先代だと突き上げも大きく、かなり揺れて不愉快でした。一方新型は、商用車とは思えないほど揺れは軽減されていて、運転しやすい印象です。ただし、荒れた路面だと少し跳ねる感じだったので、スピードの出し過ぎは禁物だと思います。
目的地付近に着いて、燃費計に目を移すと
『16.3km/L』
という表示が。(※郊外に入った時に燃費計はリセット)
燃費達成率は68%と良い数値です。
郊外走行時はクルマ全体を低燃費モードに自動制御するECONモード(※)で走行していました。もしかすると、このモードの影響で燃費が良くなったのかもしれません。
※エンジンやエアコンなど、クルマ全体を燃費優先で自動制御するシステム。
[まとめ]新型N-VANのNA車は運転がしやすく、燃費も良くなった
新型N-VANのNAの試乗結果を表にしてまとめてみました。
- NAの評価
項目 660CC・NA 走り ◯ エンジン △ 乗り心地 ◯ 燃費 ◯ 平均実燃費 14.3km/L
NA車で1番良かったのは走りです。背の高い商用車ながらも、コーナリングは安定して狙った通りに曲がってくれますし、揺れも抑えられているので運転しやすいクルマに感じます。
さらに実燃費もバモスより改善されていて、ランニングコストが安く済むようになったことも嬉しい点ですね。
一方で、エンジンパワーは追い抜き時などに足りない場面が見られました。荷物を積んでの長距離移動は疲れが溜まりそうだったので、ロングドライブは厳しいでしょう。
ターボは加速がパワフル
続いて試乗したのは、新型N-VANのターボ車の+STYLE FUNターボです。
NAに比べて走り、エンジン性能、乗り心地、燃費についてどう違うのか見ていきます。
ターボはNAと同等の静粛性だった
NA車と同じく市街地からスタートしました。主にチェックするのはNAと同じく静粛性です。
市街地ではNAでも出足の良さを体感できましたが、ターボではそれ以上。少しアクセルを踏むだけでコンパクトカー並の加速をしてくれます。必要十分なパワーがある印象ですね。
静粛性ではNA同様、商用車の割にかなりの静かさでした。このくらい遮音性が高いと、乗用車からの乗り換えでも不満を感じることはないと思います。
市街地を抜けて、燃費計を見ると
『8.5km/L』
という表示が。NA車は8.9km/Lだったので、0.4km/Lしか悪くありません。カタログ燃費でも差はわずかしかなかったので、N-VANのターボ車は優秀なようです。
ターボは高速でパワフルに加速した
次は高速です。
市街地でも加速が良かったターボだったので、高速ではどれくらいパワフルなのか気になっていました。そこで、高速合流時と追い抜き時にアクセル全開で踏んでみると勢いよく加速。80km/hくらいまではあっという間に加速してくれるので、長距離でもストレスを感じることは少ないでしょうね。
高速走行時の静粛性はNAと同等で、エンジン音やロードノイズは気にならないものの、やはり風切り音は大きくなってしまいました。
高速出口を抜けて、燃費計に目を移すと
『17.0km/L』
をマーク。NAの高速燃費は17.8km/Lだったので、1km/LほどNA車より劣るようです。
ターボはコーナリング時にNAより外側に傾いた
次は郊外です。
ここまでターボの出来は比較的良かったんですが、気になる点が見つかりました。
コーナリング時に、NA車よりも少し外側に傾いているように感じたんです。背の高いクルマだけに、この点は少し気になるかなぁと思いました。
また、凸凹を通過した時の揺れや突き上げも少し大きく感じたので、扱いやすさはNAより劣る印象ですね。
目的地に到着して燃費計をチェックすると
『15.6km/L』
という表示が。NAは16.3km/Lをマークしていたので、郊外では0.7km/Lほどターボの燃費が劣るようです。
[まとめ]ターボは加速がパワフルだが、NAよりも扱いにくい
新型N-VANのターボに試乗した結果を表にしてまとめてみました。
- ターボの評価
項目 660ccターボ 走り △ エンジン ◯ 乗り心地 △ 燃費 △ 平均実燃費 13.7km/L
ターボの優秀だった点はエンジンパワーです。80km/hくらいまでパワフルに加速するので、高速合流時や追い抜き時も楽々にこなしてくれます。
一方で、コーナリング時はNAより外側に傾きやすいですし、凸凹を通過した時の揺れも大きいので、扱いにくいのが欠点に感じますね。
また、平均実燃費もNAよりやや劣り、ランニングコストも増えてしまうので長く乗るならNAの方が良さそうです。
運転がしやすく、ランニングコストの安いNAが買い
- 総合評価
項目 NA ターボ 走り ◯ △ エンジン △ ◯ 乗り心地 ◯ △ 燃費 ◯ △ 平均実燃費 14.3km/L 13.7km/L
新型N-VANのNAとターボを比較してみて、良いと思ったのはNAです。
ターボは加速がパワフルで、長距離の運転でも疲れにくいのは魅力的。しかし、燃費が悪いためランニングコストはかかってしまいますし、コーナリング時の安定感はNAに劣ります。
NAは高速合流時や追い抜き時の加速にやや力不足を感じるものの、長距離を走らないならNAのパワーでも十分です。さらに、コーナリングが安定していて凸凹でも揺れは抑えられているので、運転がしやすいのは好印象ですね。
燃費も良くてランニングコストも安く済むので、こうなるとN-VANはNAが買いだなぁと思います。
ホンダ新型N-VANの試乗車を予約するなら電話が良い
これから新型N-VANを試乗しようと考えている人は、ホンダのホームページから試乗車検索をすると思います。ただ、それをすると
そんなに待てないよ・・・
ってなってしまうんです。なぜかというとホームページからの予約だと選択できるのは4日後から。明日試乗したいなと思っても予約できません。
なので、試乗車のあるディーラーを見つけたらさっさと電話してしまった方が早いです。私の場合は当日の電話予約でOKでした。
新型N-VANの試乗レポート動画を公開
試乗になかなか行けない人のために、かなり詳しく試乗レポートしている動画がYouTubeにあったので紹介しておきます。
ジャーナリストの河口まなぶさんが新型N-VANのNAとターボに乗って、詳しくレビューしてくれています。YouTubeにはいろいろ試乗動画がありますが、これが一番わかりやすかったです。
N-VANのブログや試乗記はたくさんネット上にありますが、こういうプロの試乗記は質が良いのでオススメです。
新型N-VANを安く買うには?
ホンダN-VANを安く購入するには値引きが重要になってきます。
ただ、値引きについてはちょっと気を付けてほしいことがあります。それは…
値引き交渉でディーラーに騙されている人が多い
ということです。
この記事を見てくれた人には絶対騙されてほしくないので、実際にN-VANを購入した人がどうやって騙されずに値引き交渉したのか、次の記事でチェックしてみてください。
⇒ホンダ新型N-VANの値引き体験談をレポート。値引き相場や限界はいくら?