2018年に7月に発売された、ホンダの新型軽バンN-VAN。燃費はJC08モードで17.6km/L〜23.8km/Lです。
しかし、実燃費がそんなにでることはほぼありません。その理由はJC08モードが
燃費にめちゃくちゃ有利な計測方法だからです。
燃費で知りたいのはそんな当てにならない数字でなく、
- N-VANの実燃費
(660ccNA車、660ccターボ車) - ライバル車との実燃費比較
(ハイゼットキャディー、エブリィ)
この部分ではないでしょうか。ここではこの2点についてネット情報を中心に詳しく調べてみたので紹介したいと思います。
また、ネット情報は信用ならないところもあるので、自分でも実際に新型N-VANに乗って燃費を計測してみました。
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新型N-VANの実際の燃費を公開!
ホンダN-VANの実燃費のデータはe燃費やみんカラの燃費記録を参考に、毎月のデータを記録しました。
(一部のデータはシミュレーション値を活用。)
記録したデータを
- 平均の実燃費
- 燃費達成率
- 月ごとの実燃費
この3つのポイントで紹介したいと思います。
新型N-VANの実燃費は平均的な数値
平均実燃費、平均燃費達成率を整理してみました。
燃費 | N-VAN(2WD) | |
660ccNA(CVT) | 660ccターボ(CVT) | |
カタログ燃費 | 23.8km/L | 23.6km/L |
実燃費(平均) | 14.8km/L | 14.2km/L |
燃費達成率(平均) | 62.1% | 60.1% |
カタログ燃費と実燃費との差は約9km/Lです。
実燃費に大きく関係している燃費達成率はNAエンジン、ターボともに約6割という数値。
これは全車種の平均燃費達成率73.1%(※)よりも10%ほど悪い数字でした。ただ、この数字はめちゃくちゃ悪いというわけではありません。
このクラスの軽バンでは平均的な数値のようです。
※e燃費の全車種燃費達成率ランキング上位100位の平均
N-VANの各月の実燃費を公開。春秋はよいが、夏冬は悪い
実燃費は季節によってかなり変動すると感じていたので、実燃費と温度の関係をグラフで予測してみました。
NA車を見てみると、クーラーやエアコンの使用機会が少ない春や秋は約18km/Lと、年間の平均燃費よりもよくなります。
反対にクーラーやエアコンをたくさん使う冬や夏は燃費が約13km/L程度で、年間の平均燃費より悪いです。
とくに燃費が悪いのが冬の寒い時期。燃費が11km/L台に落ち込みます。これは冬になるとエンジンを温めるのに、暖気運転が行われるからだと思います。
N-VANの実燃費は年間で5km/L以上変動する
月ごとの実燃費を詳しく見るため、各月の実燃費グラフを数値で表しました。一部の月は予測となります。
月 | N-VAN(2WD) | |
NA(CVT) | ターボ(CVT) | |
1月 | 11.8km/L | 11.3km/L |
2月 | 11.8km/L | 11.4km/L |
3月 | 13.5km/L | 12.9km/L |
4月 | 17.8km/L | 17.1km/L |
5月 | 17.6km/L | 16.9km/L |
6月 | 17.2km/L | 16.5km/L |
7月 | 13.2km/L | 12.7km/L |
8月 | 13.5km/L | 13.0km/L |
9月 | 16.3km/L | 15.7km/L |
10月 | 17.0km/L | 16.3km/L |
11月 | 14.9km/L | 14.3km/L |
12月 | 13.5km/L | 13.0km/L |
N-VANのNA車の実燃費は1・2月と4月で6km/Lの差がありました。2月の燃費達成率は49.6%まで低下するので、気温によって燃費は大きく異なるようです。
また、ターボ車はNA車よりも各月を0.5km/L程度低いところで推移していました。
口コミで実燃費がバラバラなのも気温・季節が関係している
ちなみに新型N-VANの燃費は、価格com等の口コミでこのように評価されています。
ほぼ全員が「良い」と言っていますが、2%ほどの人は普通と回答。
燃費が良いように思えるN-VANでも評価が別れるのは、口コミをした人の計測した時期や道路環境が深く関係してきます。N-VANの燃費を7月頃に評価した人は、
「市街地で10km/L。カタログ値と離れすぎ」
と評価。燃費の良い9月頃の評価はまだありませんが、街中で15km/L辺りとなるでしょう。
新型N-VANの口コミ評価については、欠点も含めてこちらで詳しく紹介しています。
⇒欠点はここ!ホンダ新型N-VANの口コミ評価・評判
ライバル車(ハイゼットキャディー、エブリィ)との比較
N-VANのライバルといえば、ハイゼットキャディーとエブリィです。N-VANの購入を考える際、一緒に検討されるライバル車の燃費も気になったので比較してみました。
N-VANは実燃費と走りを両立
平均燃費と達成率を比較した結果です。燃費に関係する要素も合わせて比較しました。
燃費 | N-VAN [660ccNA] |
ハイゼットキャディー [660ccNA] |
エブリィ [660ccNA] |
駆動方式 | 2WD | ||
カタログ燃費 [JC08] |
23.8km/L (CVT) |
25.0km/L (CVT) |
17.0km/L (4AT) |
実燃費(平均) | 14.8km/L | 14.8km/L | 12.4km/L |
燃費達成率(平均) | 62.1% | 59.2% | 72.9% |
重量 | 950kg | 970kg | 860kg |
エンジン最大出力 | 53馬力 | 52馬力 | 49馬力 |
【N-VAN】
N-VANはライバルの中で1番実燃費が優秀です。さらにエンジン出力も高いため、走りと燃費をどちらも両立させたい人はN-VANを選ぶと良いかもしれません。
【ハイゼットキャディー】
ハイゼットキャディーの実燃費はN-VANと並んで良い値です。エンジン出力はN-VANより若干抑えられているものの、重い車重のため燃費達成率は悪くなっています。
【エブリィ】
エブリィの実燃費がライバルの中で最も悪いです。車重が軽く、エンジン出力も抑えられています。ですが、空気抵抗の大きい箱型ボディとなっているので、燃費が悪くなっているのでしょう。
各月の実燃費はN-VANとハイゼットキャディーが一歩リード
各月のデータを比較しても、N-VANとハイゼットキャディーが一歩リードしています。
エブリィはやや低いところでどの月も推移しているようです。
検証!実際に市街地、郊外、高速を走ってみた!
N-VANの燃費を調べていると、気になってくるのが
調べた数字は正しいのか?
ということです。e燃費やみんカラのデータではかなり精度が良さそうですが、実際に測ってみないと納得は出来ません。
そこで、今回はN-VANのNA車(CVT・2WD)に乗って燃費を計測してきました。
実測した時の条件がこれ。かなり実践的なコースを走れたと思います。
[ドライブコース]
市街地:10km。渋滞あり、信号は多め。
高速 :20km。渋滞なし。
郊外 :15km。渋滞なし、信号は少なめ。
[走行条件]
走行日 :2018年8月1日
外気温 :31℃
天候 :晴れ
エアコン:25℃(A/CスイッチON)
運転手 :私(35歳)51kg
同乗者 :妻(34歳)46kg
市街地ではN-VANの燃費が悪くなる
スタートは市街地からです。都心では信号が300m程度の短い間隔という状況。そのため、アクセルとブレーキを繰り返してしまいました。平均速度を見ても25km/hと、かなりの低速です。
そんな燃費に悪そうな市街地を抜けて、燃費計を見てみると
『8.9km/L』
という表示。N-VANにはアイドリングストップが装着されていますが、加速と減速を繰り返してしまう場面では、燃費改善に限界があるのでしょう。
高速だとN-VANの燃費はかなり良い
次は高速に入ります。車の流れが悪かった市街地でしたが、高速ではスムーズそのもの。事故による渋滞もなく、左レーンを一定速度で走り続けられました。良い燃費も期待できそうです。
高速出口で燃費計を見ると
『17.8km/L』
をマーク。(※高速に入った時に燃費計はリセット)
平均燃費よりも3km/L程度良い数値です。
高速走行時は、Honda SENSINGの機能であるアダプティブ・クルーズ・コントロール(※)を85km/hに設定していました。これによって無駄なアクセル操作がなかったため、燃費が伸びたのだと思います。
※設定した速度で定速走行ができる機能。前走車と一定の距離を保ちながら、追従走行をすることも可能。
N-VANは郊外では燃費が伸びる
高速を降りて、次は郊外エリアに移ります。郊外の信号の間隔は市街地と異なり、2kmに1つ程度しかありませんでした。そのため、赤信号に引っかかったのは1度きりで、快適に走りきれました。
目的地周辺で燃費計に目を移すと
『16.3km/L』
という表示が。(※郊外に入った時に燃費計はリセット)
これは平均よりも1.5km/Lほど良い数値です。
郊外走行時にはECONモード(※)を使用して、クルマ全体を低燃費モードに自動制御させていました。もしかすると、これが良い燃費になった要因かもしれません。
※エンジンやエアコンなど、クルマ全体を燃費優先で自動制御するシステム。
ドライブコース検証まとめ
N-VANの燃費は14.3km/L
今回は高速を中心として総距離45kmを走り、平均燃費は14.3km/Lを記録。ネットに書かれている実燃費とほぼ同じ数値を確認できました。
また、高速や郊外などの一定速度で走行しやすい環境では燃費が良かったため、長距離を走るとさらにN-VANの燃費が伸びるかもしれません。
一方で、悪い結果だったのは市街地。カタログ燃費の半分以下しかでませんでした。車の通行量が多く、スタート・ストップが多い環境では燃費の伸びは期待できないようです。
燃費の悪化を最小限に抑えるには、なるべく短時間で市街地を抜けることが鍵となるでしょう。
N-VANの燃費向上させる実験をしてみた
高速は17.8km/Lと燃費がかなり伸びましたが、カタログ燃費との差は6km/Lもあります。
私はこの数字では満足できなかったので、帰り道はエアコンOFFで走行してみたんです。
その結果がこれ。
郊外 :16.3km/L→17.1km/L
高速 :17.8km/L→18.7km/L
市街地:8.9km/L→9.3km/L
平均して燃費を約5%アップさせることに成功しました。
やはりエアコンはかなり燃費に影響するようです。季節によって完全にOFFにすることは難しいと思うので、設定温度を少し控えめにするだけでも効果があるのではないでしょうか。
N-VANのガソリン代はいくらかかるのか?
N-VANの実際の燃費が分かったので、これをガソリン代に換算するとどれくらいになるのか計算してみました。
通勤で使うことを前提として・・・
- 平日1日40km×20日=800km
- 休日1日5km×8日=40km
とし、1ヶ月の走行距離を合計840kmで計算。
ガソリンの価格は1リットル120円として、1ヶ月、1年間のガソリン代を計算してみました。
1ヶ月のガソリン代は7,049円!
1ヶ月のガソリン代を計算してみると・・・
計算式
{1ヶ月の走行距離(840km)÷平均実燃費(14.3km/L)}×ガソリン価格(120円)=1ヶ月のガソリン代(7,049円)
となりました。
1年間のガソリン代は84,588円!
1年間のガソリン代を計算してみると・・・
計算式
1ヶ月のガソリン代×12ヶ月=1年間のガソリン代(84,588円)
となりました。
新型N-VANは平均的なガソリン代よりも年間4,484円安い
国土交通省の発表によると、ガソリン車のJC08モードの平均燃費は19.4km/L。実燃費の平均は公表されていませんが、燃費達成率を70%とすると平均的な実燃費は13.58km/L。
この数字からガソリン代を計算すると、年間89,072円になります。
N-VANの年間のガソリン代は84,588円なので、N-VANは平均的なガソリン代よりも年間4,484円安くなるようです。
ホンダ新型N-VANを安く買うには?
ホンダN-VANを安く買おうと思うと、重要になってくるのは値引きです。
ただ、値引きについてはちょっと気を付けてほしいことがあります。それは…
値引き交渉でディーラーに騙されている人が多い
ということです。
この記事を見てくれた人には絶対騙されてほしくないので、実際に新型N-VANを購入した人がどうやって騙されずに値引き交渉したのか、次の記事でチェックしてみてください。
⇒ホンダ新型N-VANの値引き体験談をレポート。値引き相場や限界はいくら?