2020年6月に発売された日産の新型キックス。燃費はWLTCモードで21.6km/Lです。コンパクトクラスのSUVではいい数字ですが実際は
こんなに走りません!
メーカーが発表したJC08モードやWLTCモードの数字なんてあってないようなもの。この記事を見ている人もJC08モードが何か初めて知ったときは
「イカサマやないか!」
と思ったことでしょう。JC08モードはイカサマ、最近のWLCTモードもJC08よりマシですがやっぱりイカサマ。そう、カタログ燃費って結局全部イカサマなんですよ。
カイジに出てくる帝愛グループの得意とするやつです。利根川のEカードも、和也のワンポーカーも全部イカサマでしたよね。
そんなカタログ燃費のイカサマをカイジのごとく暴くため、ガチで新型キックスの実燃費を調べてみました。実燃費で気になるのは
- ハイブリッド(e-POWER)の実燃費
- ライバルのC-HR、ヴェゼルとの実燃費比較
この2つ。今回はこの3つを徹底調査。情報源はe燃費やみんカラのネット情報を中心に、ディーラーにも聞いたり実測もしてみたので参考にしてもらえればと思います。
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新型キックスの実際の燃費を公開!
新型キックスの実燃費のデータはe燃費やみんカラの燃費記録、独自シミューレーション値を利用してデータを算出しました。
記録したデータを
- 平均の実燃費
- 燃費達成率
- 月ごとの実燃費
この3つのポイントで紹介したいと思います。
WLTCモードと比較。新型キックスの実燃費は平均的な数値。
平均実燃費、平均燃費達成率の調査結果です。
項目 | キックス(2WD) |
1.2Lハイブリッド[e-POWER] | |
カタログ燃費 [WLTC] |
21.6km/L |
推定実燃費(平均) | 17.2km/L |
燃費達成率 | 79.5% |
実燃費とカタログ燃費との差は4.4km/Lです。
実燃費に大きく関係している燃費達成率は79.5%。これは全車種の平均燃費達成率73.1%(※)と比べて少し高いくらい。この平均燃費達成率の数値はJC08モードでの値なので、実燃費に近いWLTCモードでは燃費達成率は高くなりやすいんです。
なので、これは良いというわけではなくハイブリッド車のコンパクトクラスのSUVでは平均的な数値です。
※e燃費の全車種燃費達成率ランキング上位100位の平均
新型キックスの実燃費は年間で約7km/L変動する
月ごとの実燃費を詳しく見るため、各月の実燃費グラフを数値で予測してみました。
月 | キックス(2WD) |
1.2Lハイブリッド[e-POWER] | |
1月 | 14.0km/L |
2月 | 13.7km/L |
3月 | 15.3km/L |
4月 | 20.6km/L |
5月 | 20.9km/L |
6月 | 19.8km/L |
7月 | 15.5km/L |
8月 | 15.4km/L |
9月 | 19.1km/L |
10月 | 20.0km/L |
11月 | 17.4km/L |
12月 | 15.5km/L |
キックスの実燃費は2月と5月で7.2km/Lの差がありました。
2月の燃費達成率は50.6%まで低下するので、気温によって燃費は大きく変わるようです。
新型キックスの各月の実燃費を公開。春秋はよいが、夏冬は悪くなる
※データはシミュレーション値を活用して算出
実燃費は季節によってかなり変動すると感じていたので、実燃費と温度の関係をグラフで表してみました。
クーラーやエアコンの使用機会が少ない春や秋は約20km/Lと、年間の平均燃費よりもよくなります。反対にクーラーやエアコンをたくさん使う冬や夏は燃費が約15km/L程度で、年間の平均燃費より悪いです。
とくに燃費が悪いのが冬の寒い時期。燃費が13km/L台に落ち込みます。これは冬になるとエンジンを温めるのに、暖気運転が行われるからでしょう。
実燃費がバラバラになるのは気温・季節が関係している
燃費は計測した時期が大きく影響することが分かっています。
口コミを見ていると実燃費についてはかなりバラつきがあります。これはおそらく計測する時期がかなり影響しているのでしょう。
新型キックスの燃費を8月頃に測定すると、
市街地を走らせて15km/L程度
と悪い値。逆に燃費の良い4月頃に測定すると
街中で20km/L程度
と高い値になることが予測されます。なので、どうしても口コミや燃費データというのはバラつきが出てしまうことと思います。
また、季節だけでなく計測した時の道路環境もかなり影響します。渋滞していたり頻繁に信号に引っかかってしまうところを走れば、1〜2割程度はどうしても落ちてしまうことが多いですからね。
ライバル車(C-HR、ヴェゼル)との比較
新型キックスのライバルといえば、C-HRとヴェゼルです。キックスの購入を考える際、一緒に検討されるライバル車の燃費も気になったので比較してみました。
ライバル車の中で、新型キックスの実燃費は2番目に良い
平均燃費と達成率を比較した結果です。燃費に関係する要素も合わせて比較しました。
項目 | キックス | C-HR | ヴェゼル |
駆動方式 | 2WD | ||
エンジン | 1.2L ハイブリッド |
1.8L ハイブリッド |
1.5L ハイブリッド |
カタログ燃費 [WLTC] |
21.6km/L | 25.8km/L | 21.0km/L |
実燃費 (平均) |
17.2km/L | 19.7km/L | 17.1km/L |
燃費達成率 (平均) |
79.5% | 76.4% | 81.4% |
車両重量 | 1,350kg | 1,440kg | 1,280kg |
エンジン 最高出力 |
82馬力(発電用) | 98馬力 | 132馬力 |
モーター 最高出力 |
129馬力 | 72馬力 | 29.5馬力 |
キックスの燃費は2番目に良い
新型キックスの実燃費はこの3車種の中で2番目に良いです。排気量が小さく車両重量も重くはないのですが、e-POWERは郊外や高速では他のハイブリッド車ほど伸びないことがC-HRほど燃費が伸びない要因でしょう。
ですが、街中ではキックスが一番実燃費は伸びやすいので、近場中心に乗るのであれば新型キックスを選ぶと良いかもしれません。e-POWERは加速も良いですからね。
C-HRは燃費は一番良い
C-HRの実燃費は3車種の中では1番悪実燃費が良いです。重量が重いもののエンジン出力が抑えられており、トヨタのハイブリッド技術も高いことが良い理由だと思います。
ヴェゼルはキックスと同等の燃費
ヴェゼルの実燃費は3車種中3番目に悪いですが、キックスと0.1km/Lしか変わらないため同等です。重量は軽いのですが、エンジン最高出力が高いため伸びません。ただし、加速はパワフルであるため、燃費と加速を重視したい人にはぴったりの車かもしれません。
各月の実燃費はC-HRが一歩リード
各月のデータを比較してもC-HRが一歩リードしています。
新型キックスとヴェゼルはやや低いところでどの月も推移しているようです。
検証!実際に市街地、郊外、高速を走ってみた!
新型キックスの燃費を調べていると、気になってくるのが
調べた数字は正しいのか?
ということです。e燃費やみんカラのデータではかなり精度が良さそうですが、実際に測ってみないと納得はできません。
そこで、キックスに乗って、燃費を計測してきました。
実測した時の条件がこれです。かなり実践的なコースを走れたと思います。
[ドライブコース]
市街地:5km。渋滞あり、信号は多め。
高速:15km。渋滞なし。
郊外:10km。渋滞なし、信号の数は普通。
[走行条件]
走行日:2020年8月3日
外気温:31℃
天候:晴れ
エアコン:25℃(A/CスイッチON)
運転手:私(35歳)、51kg
同乗者:妻(34歳)、46kg
キックスは市街地で走ると燃費が良い
今回のスタートは市街地からです。さっそく動かしていくと信号は約300mごとに1つぐらいの間隔で設置されているためか、ストップ&ゴーの繰り返しでした。順調なドライブとは言えない感じです。
こんな状況だと一般的な車では燃費に悪い環境なのですが、燃費計を見てみると、
『20.6km/L』
という数字が。どうやらe-POWERの場合は市街地の方が燃費が伸びやすいようです。
キックスの高速の燃費は思った程伸びない
次は市街地から高速道路に乗りました。高速では渋滞はなく85km/hで一定で走れることができました。
なので、燃費を測定するにはベストな環境だったと思います。
高速出口を出る時に、燃費計を見ると、
『15.5km/L』
の表示。平均よりも1.5km/L程悪い数字で、思ったほど伸びません。
e-POWERを高速で走らせると、回生ブレーキを使うことがないためエンジンがかかってしまい燃費はあまり伸びないようです。
ちなみに高速を走行中は、クルーズコントロールを使って時速85kmに設定して走っていました。一定速度で走行することはできたので、燃費の悪化を最小限に抑えることはできたと思います。
キックスの実燃費は郊外では悪い
高速道路から降り、目的地のある郊外に出ました。市街地より信号は少ないとはいえ、1kmから2km間隔で信号があるような感じでしたね。郊外でもこの日は車の数も少なく、渋滞はなかったのでスムーズに走ることができたと思います。
燃費に良い環境だと感じていたのですが、燃費計は
『15.0km/L』
を記録していました。かなり期待外れの数値です。
ハイブリッドカーであれば郊外はけっこう伸びるエリアなんですが、e-POWERの場合は回生ブレーキをあまり使わないところでは燃費は悪くなってしまうようです。平均燃費よりも2.2km/L悪い結果でした。
ドライブコース検証まとめ
キックスの燃費は17.0km/L
今回は高速を中心として総距離20kmを走りました。平均燃費は17.0km/Lだったので、口コミの実燃費とほぼ同じ数値を確認できました。
正直同じクラスのハイブリッド車のSUVと比べるとキックスは思った程良くないなぁという感触ですね。
キックスの燃費向上させる実験をしてみた
市街地は20.6km/Lと燃費は良かったですが、カタログ燃費の21.6km/Lとは、まだ1.0km/Lの差があります。
この数字では満足できなかったので、燃費向上のために帰り道はエアコンOFFで走行してみました。
その結果がこれ。
郊外:15.0km/L→15.8km/L
高速:15.5km/L→16.3km/L
市街地:20.6km/L→21.6km/L
平均して燃費を約5%アップさせることができました。
やはりエアコンはかなり燃費に影響するようです。季節によって完全にOFFにすることは難しいと思うので、設定温度を少し控えめにするだけでも効果があるのではないでしょうか。
新型キックスのガソリン代はいくらかかるのか?
新型キックスの実際の燃費がわかったので、これをガソリン代に換算するとどれくらいになるのか計算してみました。
通勤で使うことを前提として・・・
- 平日1日40km×20日=800km
- 休日1日5km×8日=40km
とし、1ヶ月の走行距離を合計840kmで計算。
ガソリンの価格は1リットル140円として、1ヶ月、1年間のガソリン代を計算してみました。
1ヶ月のガソリン代は6,917円!
1ヶ月のガソリン代を計算してみると・・・
計算式
{1ヶ月の走行距離(840km)÷平均実燃費(17.0km/L)}×ガソリン価格(140円)=1ヶ月のガソリン代(6,917円)
となりました。
1年間のガソリン代は83,004円!
1年間のガソリン代を計算してみると・・・
計算式
1ヶ月のガソリン代(6,917円)×12ヶ月=1年のガソリン代(83,004円)
となりました。
新型キックスは平均的なガソリン代よりも年間8,628円安い
国土交通省の発表によると、ガソリン車のJC08モードの平均燃費は22.0km/L。実燃費の平均は公表されていませんが、燃費達成率を70%とすると平均的な実燃費は15.4km/L。
この数字からガソリン代を計算すると、91,632円/年になります。
新型キックスの年間のガソリン代は83,004円なので、キックスは平均的なガソリン代よりも年間8,628円安くなるようです。
日産新型キックスを安く買うには?
日産新型キックスを安く買おうと思うと、重要になってくるのは値引きです。
ただ、値引きについてはちょっと気を付けてほしいことがあります。それは…
交渉でディーラーに騙されている人が多い
ということです。向こうは毎日のように値引き交渉しているプロですから、普通に交渉すると
「あ、、、大した値引きもないまま契約してしまった・・・」
ということはザラにあるんですよ。
これドラクエで言えば、レベル1でラスボスに挑むようなものです。
レベル1でゾーマには絶対勝てませんよね・・・
この記事を見てくれた人には絶対騙されてほしくないので、実際に新型キックスを購入した人がどうやって騙されずに下取り交渉や値引き交渉をしたのか、次の記事でチェックしてみてください。
⇒日産新型キックスの値引き体験談をレポート。値引き相場や限界はいくら?